ホームプロに学ぶ!シロアリ対策日本には24種類ものシロアリが!発生の見分け方と効果的な対処法とは?

日本には24種類ものシロアリが!
発生の見分け方と効果的な対処法とは?

日本には24種類ものシロアリが!発生の見分け方と効果的な対処法とは?

2024年6月公開

大切なマイホームを食べてしまうシロアリ。

そんなシロアリですが、どれくらいの種類がいるか知っていますか?

放っておくと、おうちも食べてしまうシロアリですが、それらの種類をしっかり判別したうえで、それぞれに対応した駆除・予防をしていかなくてはなりません。

「シロアリの種類によって好みの木材があるの?」

「乾いた木材を食べるシロアリもいるの?」etc

そんな疑問にもお答えしつつ、今回は日本にいる建物を加害するシロアリを中心にご紹介します。

そもそもシロアリってどんな生き物?

シロアリは、木材に含まれるセルロースを主食としています。

本来は森の中で倒木などの朽ちた木を分解して還元する益虫ですが、人間の建てた木造家屋を食べてしまうので、人間社会では害虫とされています。

また、シロアリはコロニーを形成して役割を分担しながら生活する、社会性のある昆虫です。

好む環境はシロアリの種類によって様々ですが、日本に広く分布しているヤマトシロアリは多湿な環境を好みます。

シロアリの生態については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

シロアリの生態を専門家が解説!誰かに言いたくなるシロアリの秘密

シロアリとクロアリの違い

シロアリは名前に「アリ」とついているのでクロアリの仲間と思われがちですが、じつはゴキブリの親戚です。

主食となる食べ物にも違いがあり、シロアリの主食が木材(セルロース)なのに対し、クロアリは雑食です。

見た目にも違いがあり、大きな違いは「くびれ」があるかないかです。

クロアリは胸部と腹部の間に「くびれ」がありますが、シロアリはくびれがない「ずん胴」体型をしています。

下に特徴、見分け方をまとめました。

シロアリ(職アリ)

シロアリ(職アリ)

【シロアリの職アリ(シロアリ目)】

触角:じゅず状。
腹部:胸部と同じ幅で基部が細く、くびれることはない。
体色:職アリは乳白色。兵蟻は頭部のみ黄褐〜褐〜黒色で、他の部分は乳白色。有翅虫(羽アリ)は黄赤〜黄褐〜褐〜黒色。
変態:不完全変態(たまご→幼虫→成虫)。幼虫は成虫によく似た外見。

クロアリ

クロアリ

【クロアリ(ハチ目)】

触角:「く」の字状(雄は「く」の字状でない種類もある)。
腹部:腹部の基部が著しくくびれている。
体色:黄褐〜褐〜黒褐〜黒色。
変態:完全変態(たまご→幼虫→さなぎ→成虫)。幼虫は成虫と異なる外見。

シロアリの種類

シロアリは世界の熱帯・亜熱帯地域に多く存在し、全世界で約3,000種存在するといわれており、その中で建物に被害を与える「建築物加害種」は104種存在します。

日本には現在24種類分布していて、このうちの4種類が主要な家屋害虫とされています。

中でも大きく被害を与えているシロアリは、ほとんどが「イエシロアリ」と「ヤマトシロアリ」の2種で、防除の対象となっています。

日本に生息する加害種4種類の特徴

以下に主要な家屋害虫である4種類の加害種シロアリの分布エリアや特徴、群飛(※)時期などをシロアリの画像と併せてご紹介します。

ご自宅でシロアリの発生が疑われるときに、ぜひ参考にしてください。

※群飛(スウォーム)とは…巣が成熟し、中のシロアリの数が多くなると、一部のシロアリが羽のついた「羽アリ」になります。その羽アリが外へ飛び出し、新しい巣を作る行動のこと。

ヤマトシロアリ イエシロアリ
ヤマトシロアリ※写真は職アリ イエシロアリ※写真は職アリ
分布 北海道北部を除く日本全土。北限は北海道名寄市。 被害の北限は茨城県潮来市。千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と南西諸島、小笠原諸島。
有翅虫
(羽アリ)
体長:4.5~7.5㎜
体色:黒褐色(前胸背板は黄色)
体長:7.4~9.4㎜
体色:黄褐色(頭部は暗褐色)
兵蟻 体長:3.5~6.0㎜
頭部の形態:淡褐色、円筒形、左右両縁平行。体長の1/2の長さ。
体長:3.8~6.5㎜
頭部の形態:淡褐色、卵型。体長の1/3の長さ。
攻撃性が非常に強い。
職アリ 体の大きさ:小型
頭部の色:乳白色
体の大きさ:やや大型
頭部の色:乳白色
群飛時期 4~5月(東北地方6月)の昼間 5~7月の夕方から夜
加害習性など 湿潤な木材を好み、建物の下部材を主に加害する。雨漏りがあると、小屋組材まで加害することがある。加害速度は比較的遅い。 湿潤な木材だけでなく、被害は建物全体に及ぶ。加害速度は速く、被害は激烈。古材より新材を好んで加害する。
アメリカカンザイシロアリ ダイコクシロアリ
アメリカカンザイシロアリ※写真は職アリ ダイコクシロアリ※写真は職アリ
分布 山形県上山市から沖縄本島まで多くの都府県に点在 奄美大島以南の南西諸島、小笠原諸島
有翅虫 体長:6~8㎜
体色:赤褐色か黒褐色
体長:5~6㎜
体色:黄褐色
兵蟻 体長:8~11㎜
頭部の形態:濃褐色、円筒形、左右両縁はほぼ平行。体長の1/3の長さ。
体長:3.5~5.5㎜
頭部の形態:黒色、前面が裁断状。体長の1/4の長さ。
職アリ 体の大きさ:大型
頭部の色:乳白色
体の大きさ:小型
頭部の色:乳白色
群飛時期 ほぼ1年中不定期。昼間 ほぼ1年中不定期。夕方から夜
加害習性など 太平洋沿岸地域を原産とする有名な乾材害虫で、日本へは家具や荷造材などとともに持ち込まれて屋内の乾材へ拡がり、家を建て直すほどの被害を与えている。被害材の孔道から乾燥した砂粒状の糞を排出する。 世界の熱帯各地で最も恐れられている乾材害虫で、乾燥に極めて強く、ピアノや家具のような木製品から建築物、野外の枯枝などの中に住む。被害材の孔道から乾燥した砂粒状の糞を排出する。

シロアリを放っておくとどうなるの?

シロアリは住宅に住み着くと気付かない間に家の木材を食べてしまい、ときには木材をボロボロにしてしまう恐ろしい生き物でもあります。

シロアリは他の昆虫と異なり、冬に休眠することなく1年中活動しています(温度の低下により活動量が減少することはあります)。

また、日本で被害が多いヤマトシロアリやイエシロアリは暗くて湿気のある暖かい場所を好みます。

床下、屋根裏、浴室、畳の裏など、湿気の多い場所ならば、どこでもシロアリの住処になる可能性があるので注意が必要です。

土台や柱の中、床下など建物内部に被害がある場合は発見しづらいので、シロアリを駆除せずにそのまま放置していると、気付かない間に被害が進行してしまいます。

「羽アリを見た」
「床下が軋む音がした」
「ドアの立て付けが悪くなった」
「柱を叩くとコンコンと空洞音がする」

このような気になる症状があるときは、放っておかずに専門業者に相談しましょう。

床下の被害の様子。床を支えている木材がボロボロになっている。
床下の被害の様子。床を支えている木材がボロボロになっている。

床下の被害の様子。床を支えている木材がボロボロになっている

本もシロアリの被害に…

本もシロアリの被害に…

シロアリを見つけた場合はどうすればいい?

シロアリが発生するとビックリしてしまう人もいますが、急速に被害が進行するということはありません。

木材がボロボロになるまでには、シロアリが侵入してからかなりの年月が必要になります。

焦らずに、まずは専門業者に調査をしてもらい、必要であれば駆除を依頼しましょう。

対策① シロアリ専門業者に調査を依頼する

シロアリが家屋に侵入してくるルートとして最も多いのが、床下です。

調査をするときに、最も重要な箇所は床下となります。

シロアリ被害そのものだけでなく、シロアリを誘引する湿気状況(カビや腐朽につながる)の確認も大事なチェックポイントです。

こんなところをしっかりチェックします。

アサンテでは調査とお見積りまでは無料で、施工やアフターメンテナンスまでを一貫して自社で対応。

安心のトータルサービスを提供しています。

調査内容から施工の流れについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

調査から施工の流れ

対策② シロアリ専門業者に駆除を依頼する

シロアリがすでに発生している場合には、専門業者に駆除を依頼しましょう。

対策施工では大きく分けて、以下の3つの方法が基本処理となります。

木部処理(穿孔、薬剤注入、木栓、薬剤吹き付け)

土壌処理

上回り処理

これらの処理を家の構造にあわせて、的確に行なうことで、シロアリを駆除します。

プロがどのような処理をしているか、具体的に知りたい方はこちらをご覧ください。

シロアリ駆除!自分ではできないスゴ技!プロの実例と作業内容を解説!

シロアリ駆除は自分では難しい

シロアリは普段、土の中や木の中に生息していて、市販の殺虫剤などで部分的に処理しても、完全に駆除することはできません。

そのため、しっかりと駆除するにはプロである専門業者に依頼しましょう。

また、春から夏にかけて、シロアリは羽アリになり飛び立ちます。

屋内や家の周りをチェックして、もし羽アリを見かけたら専門業者にまずは調査を依頼してください。

「すぐに羽アリをどうにかしたい…」そんなときは専門業者に見せるために数匹のシロアリをティッシュなどで保管しておき、残りは掃除機で吸い取ってしまいましょう。

お風呂場などで発見した場合はお湯で流してしまっても大丈夫です。

シロアリ対策の基本は「予防」にあり!

シロアリは被害が見つかってから「駆除」するのではなく、事前の「予防」がとても大切です。

なぜなら、一度でも被害にあった木材は元の状態には戻らないですし、木材の持つ本来の力(耐力)を発揮できなくなってしまうからです。

また、シロアリ被害でボロボロになった床下の土台や柱などを修繕するとなると、被害の場所や規模によって、高額な工事費用がかかることも珍しくありません。

だからこそ、専門業者による「予防」がシロアリ対策の基本となるのです。

■まとめ

今回は住宅に被害を与えるシロアリの種類や特徴についてご紹介しました。

「建築物加害種」の4種類の中でも群飛時期や加害習性に違いがあります。

それぞれの特徴をよく理解し、不安なことがあればすぐに専門業者に相談しましょう。

特に4~6月雨上がりのジメジメした日に羽アリを見かけたなら要注意!

見かけた際はすぐに専門業者に調査をお願いしてくださいね。

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