防蟻処理とは、建築物の床下などの木材部分や地面に薬剤処理を施し、シロアリの被害を防ぐ処理です。

シロアリは一度侵入すると、建物に深刻なダメージを与えることがあります。耐久性を損ない、大がかりな修繕が必要になるケースもあるので、シロアリを寄せ付けないように対策することが必要です。
ここでは、防蟻処理の重要性と防蟻対策が不要なケースを解説します。

防蟻処理の重要性

シロアリは、木材を構成するセルロースを主食としており、床下などに侵入すると、柱や土台など重要な構造部分を食い荒らします。この食害により、家の耐久性などに重大な問題を引き起こす可能性があり、建物の資産価値が低下することもあります。
さらに、シロアリは木材だけでなく、ウレタン系の断熱材も食害することがあります。

こうした被害を未然に防ぐためにも、防蟻処理は重要です。適切なタイミングで防蟻処理を行うことが、建物をシロアリ被害から守るための予防となります。

防蟻対策が不要なケース

建築基準法では、新築時には必要に応じて防蟻措置を講じなければならないとされています。
一般的に、シロアリ駆除で使用される薬剤の効果は5年程度とされているので、新築時に防蟻処理を行っている場合は、築5年のあいだは防蟻処理が不要と考えられます。5年以内に防蟻処理を行った住宅も同様です。
住宅会社や防蟻処理業者によっては保証制度を設けている場合もあります。自宅の防蟻処理がどうなっているか、保証期間があるかどうかなどを確認しておきましょう。

また、鉄骨・RC住宅は防蟻対策が不要に思われがちですが、建具や床などに木材を使用する部分があるため、シロアリ被害に遭うこともあり、シロアリ対策が必要と考えられています。

一般的な防蟻処理を行うタイミングは、薬剤の効力が切れるときです。
日本しろあり対策協会では、シロアリ駆除に使用する薬剤の有効期限を5年と定めています。もし前回の防蟻処理で5年の保証期間が付いている場合は、保証期間内にシロアリ調査を依頼し、適切に対処するのがおすすめです。

不安に感じることがあれば、シロアリの専門業者に相談してみましょう。

防蟻処理には、さまざまな種類があります。ここでは、防蟻処理の方法の一つであるバリア工法の土壌処理と木部処理について解説します。