シロアリは木材だけでなく、畳も食べます。これは、シロアリが栄養分としているセルロースが畳にも含まれているためです。

シロアリは床下または水回りに発生し、住宅の木材部分を食べて被害を拡大させていきますが、じつは畳が使用されている部屋も食害に合うケースが多く見られます。

また、床下側から侵入してくるため、畳の裏側を食べるケースが多く、一見して畳がシロアリの食害に遭っているのかわからないこともあります。

踏んだ畳の場所が不自然に柔らかく沈み混んでいる場合、裏返すと被害にあってボロボロになっているといったケースも散見されます。

シロアリは畳も餌とするため、木材ではないからといって油断できません。

畳に現れるシロアリ被害の兆候について下記の内容にまとめました。

畳に現れるシロアリ被害の兆候について下記の内容にまとめました。

沈み込みやふかふか感など畳の表面の異常

畳の裏側の食害跡

シロアリの蟻道

それぞれ解説します。

沈み込みやふかふか感など畳の表面の異常

畳を踏んだ時、沈み込みやふかふか感がするなど畳表面に違和感を感じる場合、シロアリ被害に遭っているかもしれません。

畳は独特のクッション性がありフローリングなどのように硬くはありません。

しかし、踏んだ時にまるで柔らかいクッションのように沈み込んでいる場合、中が空洞化しているケースがあります。

シロアリの食害に畳が遭っていると畳内がなくなっているため空洞となるため、上記のような状況になってしまうと考えられます。

畳の裏側の食害跡

畳がシロアリによる食害を受けている場合、裏側にその食害跡を見つけることができます。

畳の裏側には畳表が貼られておらず、シロアリが通った痕跡が見つかったり、羽が落ちていたりボロボロだったり、何らかのシロアリによる被害を確認できるはずです。

畳の表側に何ら異変がなくとも、違和感を感じたら裏側を確認するようにしてましょう。

シロアリの蟻道

畳がシロアリの被害に遭っている場合、蟻道が確認できる場合があります。蟻道はシロアリが移動するために作るトンネル状の通り道で、畳の周辺や裏側に不自然に土が付いているのを見かけたら注意して下さい。

蟻道はただの土やホコリに見えてしまうかもしれません。もし、判別がつかない場合は専門業者に確認してもらいましょう。

畳がシロアリ被害を受けやすい環境があります。

どのような環境だとシロアリ被害を受けやすいのか、下記にて解説していきましょう。

高温多湿になる和室の特徴

日本の気候は高温多湿であり、その環境に合わせた調湿作用を備えた畳が広まっていきました。

さらに日当たりが悪かったり、梅雨時期になると、畳が湿気を吸収し、シロアリが好む環境となってしまいます。

長期間メンテナンスされていない畳

長期間メンテナンスされていない場合は、シロアリの餌となる湿った畳を放置し続けることになり、シロアリ被害のリスクを高めてしまうことにもなるでしょう。

また、何年もメンテナンスされていない畳はカビなど生えている可能性もあり、健康にも好ましくありません。

畳にシロアリ被害が発生した際の対処法を下記の内容にまとめました。

被害を受けた畳の処分

専門業者によるシロアリ駆除

賃貸であれば家主や管理業者への連絡

それぞれ解説していきましょう。

被害を受けた畳の処分

畳がシロアリ被害を受けていたことが発見できた場合、そのまま放置するのは避けましょう。

シロアリによる被害を受けたことがわかった後、被害を受けた部分だけを補修する方もいるかもしれませんが、畳内に多数のシロアリが潜んでいる可能性があります。

シロアリが畳に残っていれば畳の被害が拡大するだけでなく、シロアリがそこから屋内のいたるところへと移動し被害を広げていくかもしれません。

畳の一部だけがシロアリ被害に遭っていたとしても、シロアリはまだ内部に残されると考えて処分・交換することをおすすめします。

専門業者によるシロアリ駆除

畳を確認した際、シロアリ被害に遭っていると想定できたら専門業者によるシロアリ駆除を依頼しましょう。

自宅の畳でシロアリが発見できたときは、畳の中にシロアリが潜んでいたり、周囲に被害が拡大しているおそれがあります。

また、市販のシロアリ駆除スプレーなどを使用して表面上のシロアリを駆除しても、数万匹単位で生息するシロアリをきちんと駆除することはできません。

畳などに異変を感じたり疑わしいと思ったときは、ご自身で対処したり補修などをする前に、まずはシロアリ駆除の専門業者に調査をしてもらい、状況説明を受けて、その後の対応を検討するのがよいでしょう。

賃貸であれば家主や管理業者への連絡

賃貸などに住まわれている方で、部屋の畳がシロアリ被害に遭った場合は、まず家主や管理業者へ連絡しましょう。

その理由は、賃貸など集合住宅で発生したシロアリによる被害の駆除費用などは、家主か管理会社が負担するケースが一般的だからです。

居住者による負担になると賃貸契約書などに明記されていたり、居住者による過失でシロアリ被害を拡大させたことが確認されない限り、シロアリ被害における家主・管理会社負担と考えてよいでしょう。

住まわれている部屋の畳がシロアリ被害に遭っている可能性がある、またシロアリを発見した場合は専門業者より先に、家主や管理業者へ連絡することを心がけましょう。

畳のシロアリ被害に関する費用相場を下記にまとめました。

※2024年12月時点において、インターネット等の公開情報をもとにしています

これら費用感は、畳の種類や素材、枚数、さらにシロアリ被害に遭った住宅の広さ、被害規模によって大きく変化します。

修繕費については、被害が最小限にとどまっていれば比較的安価な費用で対処できますが、長年放置して被害が拡大してしまった場合は高額になるケースが多いようです。

シロアリによる畳の食害を発見したら、被害を拡大させないようにいち早く対応するようにしましょう。

畳がシロアリによる食害を受けないための、正しい対処法を知っておく必要があります。

シロアリの被害から逃れるための対策を下記の内容にまとめました。

畳の定期的な交換などのメンテナンス

防虫シートの活用

定期的な点検と薬剤処理

それぞれ解説していきましょう。

畳の定期的な交換などのメンテナンス

畳がシロアリの食害を受けないためには、定期的な交換などメンテナンスが必要です。

畳を慎重するのもひとつのメンテナンスですが、一般的に畳には新調のほかに裏返し、表替えといったメンテナンスがあります。

裏返しは劣化した畳表を剥がした後、畳を一度裏返してきれいな部分を表にするメンテナンスです。

畳表を張り替えることで、交換する必要なく使い続けられます。

表替えはそのまま畳表を変えるメンテナンスです。

一般的には、裏返しは3～5年が目安と言われており、表替えは裏返しをした3～4年後が目安とされています。

上記メンテナンスだけでなく、湿気を逃すための畳干し、雑巾で水拭きのあとに乾拭きするなどでシロアリの予防にも繋がるでしょう。

防虫シートの活用

畳を畳干しするといったメンテナンスがとくにシロアリ予防に効果的ですが、なかなか頻繁にできない方も多いはずです。そんな時は、防虫シートの活用を検討してみましょう。

防虫シート自体でシロアリの侵入をある程度は予防できますし、畳干しなどメンテナンスを徹底することでより高い予防効果を得られるはずです。

定期的な点検と薬剤処理

徹底したメンテナンスと予防策を講じていても、シロアリが発生する可能性はゼロにはなりません。

少しでもシロアリ被害が確認された場合、住宅内に潜むシロアリはしっかりと駆除しなければならず、一般の方では対応が難しくなります。

そのため、シロアリによる畳の食害を防ぐためには専門業者による点検と薬剤処理がおすすめです。

定期的な点検を行うことで、シロアリの発生前の兆候を確認できたり、侵入されていたときの被害を最小限に抑えられるなどメリットがあります。また、定期的に薬剤処理をすることで高い確率でシロアリの侵入を防ぎ続けることができます。

これらを十分な知識とスキルを持った専門業者に依頼すれば、シロアリに対する不安が解消し安心して住み続けられるでしょう。