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突然、家の中に羽アリが!?
果たしてその正体は…?
2024年4月公開
ふと家の床を見てみると、そこには大量の羽アリが…!?
こんな状況を目の当たりにしたら、突然のことでビックリしてしまうことでしょう。
もし家の中で羽アリを発見したら、慌てずにそれがシロアリかどうかを判断することが大切です。
もしそれがシロアリの羽アリなら、放っておくのは危険ですので対処が必要です。
シロアリは木材を食害する害虫で、家で被害が拡大すると、建物の倒壊や家具の破損などの原因となります。
目次
黒いのになぜシロアリ? 羽アリの見分け方の3つのポイント
まずは、出てきた羽アリが何の虫なのかの判断する必要があります。
実は、シロアリの羽アリの色は「白」ではなく、皮膚を厚くした「黒っぽい色」(黒褐色)になっています。
初めて羽アリを見た人は、それがシロアリの羽アリだとわかる人は少ないかもしれません。
一方で、地面でよく見かけるクロアリも、時期が来ると羽をつけた姿で発生します。
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリは、色やかたちが似ているため見分けが難しく、判断に迷いますよね。
そこで、羽アリのシロアリとクロアリの特徴の違いを以下にまとめましたので、これを参考に判断をしてください。
大きくは①触角のかたち、②羽の大きさ・脈の模様、③胴のかたち(くびれの有無)の3箇所の見た目の違いを理解していれば、区別がつき安心できることでしょう。
ちなみに、シロアリの羽アリは発生している時期によって、ヤマトシロアリとイエシロアリの2種類が存在します。
比較項目 | ||
---|---|---|
①触角のかたち | 短い・数珠状で直線的 | 長い・「く」の字型 |
②羽の大きさ | 前後の羽が同サイズ | 前羽が大きく後羽が小さい |
②羽にある脈模様 | 細かくて薄い | 数が少なく濃い |
③胴体のかたち | くびれがなく寸胴型 | 細いくびれがある |
色や全長 | 茶・黒・黄褐色など | 茶・黒・茶褐色など |
5mm~10mm程度 | 2mm~20mm程度 | |
発生時期 | 4月から5月ごろ | 6月から11月ごろ |
(ヤマトシロアリ) | ||
6月から7月ごろ | ||
(イエシロアリ) |
国内の大半で発生するヤマトシロアリは、4月から5月にかけて、羽アリとなって巣から大量に飛び出し、新しい巣を作る場所を探します。
その後、羽を脱ぎ捨て、地面に落ちて新しい巣を作ります。
羽アリを発見したときに注意することは?
「自分だけでは正しい判断が難しい!」
「大量に発生してそれどころじゃない!」
「早く何とかしてほしい!」
見分け方が分かっても、突然大量の羽アリを発見したらパニックになってしまいますよね。
そのようなときは、以下のような対処をしておくとよいでしょう。
POINT①
見分けがつかないようなら専門業者に相談する
先に解説した見分け方の表を参考に判断もできますが、不安な方はシロアリ駆除の専門業者に連絡をしましょう。
見た目のほかにも、発生場所や発生時間(発見時間)、発生している量を業者に伝えると、より正確な回答が得られるはずです。
多くの業者は相談や調査を無料で行なっていますので、安心して問い合わせてみてくださいね。
POINT②
殺虫剤はNG! 羽アリは捕獲しておきましょう
業者に依頼して調査に来たときには、現物を確認してもらえるよう、発見した羽アリを捕獲しておきましょう。
死骸が2~3匹もあれば判断が可能です。テープなどに貼り付けてしまうのが楽でオススメです。
残りは掃除機で吸い取ってしまっても大丈夫です!
なお、数枚の羽だけでも残っていれば、専門業者は判断が可能な場合もあります。
また、発見したときにすぐに殺虫剤などを使って退治しないようにしましょう。
殺虫剤をかけることで巣に引き返してしまう場合があり、その結果、羽アリの発生源の特定ができなくなる原因にもなるからです。
実は、シロアリの羽アリそのものは木材を食べません。
木材を食べるのは巣とその周りにいる働きアリだけなんです。
そのため、巣を特定するためにも、慌てて殺虫剤を吹き付けるのは避けましょう。
POINT③
羽アリはどこから? まずは発生源を特定する
羽アリを発見したら、羽アリが出てきた場所を特定しましょう。
そこにはまだ木を食べている多くのシロアリがいる可能性があります。
羽アリの発生した場所にもよりますが、シロアリの発生源は様々です。
まず床上では、玄関や勝手口などの木製の戸枠や上がり框(かまち)など、床下空間のない場所から確認してみましょう。
上記の写真のような状態の箇所が、羽アリの発生源となっている可能性が高いです。
また、発生場所の多くは浴室や洗面所、台所、トイレといった水回りの場所になりますので、床下に潜っての確認が多くなります。
床下への入り口は脱衣所や台所の床下収納庫、和室の畳を上げた中にあることが多いです。
しかし自分で床下に入っての確認が難しい場合は、専門業者に依頼して床下の状態を見てもらいましょう。
POINT④
「一度見かけただけだから…」はNG!
「羽アリは一度出ただけで、その後は見ていないから放置して大丈夫か…」と思っていませんか?
よく聞く話なのですが、これはNG!
実はシロアリの羽アリは毎年出るわけではありません。
巣の規模が大きくならなければ、羽アリとして発生しない年もあり、その間は家の中で見かけることもなく、気づかないまま被害を拡げているのです。
また、シロアリは巣を作ってから巣が成熟するまで5年ほどかかると言われています。
つまり羽アリになるまで5年間は、床下に生息しており、被害を拡大していた可能性があります。
一度でも羽アリが出たことがある住宅は、調査を受けることをぜひ検討してください!
大切な家にシロアリが…どう対処すればいいの?
シロアリが家にいた!
それだけでショックですが、すぐに対処することで被害を最小限に防ぐことができます。
「家は大丈夫?」「倒れたりしない?」「駆除できるの?」などと、いろいろな不安でいっぱいになりますが、以下の点を踏まえて落ち着いて対応しましょう。
対処法①
修繕が必要なほどのシロアリ被害なのかを確認する
家の土台や柱などの家の骨組み部分に被害が出ていた場合、大工さんによる修繕が必要かどうかの判断が必要です。
接合部への被害の有無なども判断材料になります。
対処法②
DIYだけでなく、専門業者への調査依頼も検討する
ホームセンターやネットショップでもシロアリ駆除剤は購入できますが、作業の大半は床下という狭い空間で行うことになります。
配管や飛び出た釘などの障害物が多くある中で作業を行うことは、簡単ではありません。
床下の調査はぜひ専門業者にお任せすることをおすすめします。
【業者へのシロアリ駆除依頼】その後のアフターケアは?
シロアリ駆除の専門業者へ調査を依頼して、実際に駆除の施工をお願いした場合、大半の専門業者は駆除に対して保証を出しますが、その保証内容の確認も重要です。
シロアリ(羽アリ)が再発生をした場合に、無料で再処理をしてくれるのか?
新たな被害箇所への修繕保証も含まれているのか?
定期点検を無料で対応してくれるのか?
など、施工後のアフターケアの保証内容もしっかりと確認しておきましょう。
シロアリは生き物ですし、薬剤の効果にも有効期間があります。
専門業者に駆除してもらったとしても、「今後絶対に出なくなる」とは言い切れません。
だからこそ、アフターケアがしっかりしていて、長く付き合える業者を選びたいですね。
羽アリが出てないから安心!? シロアリ予防の2つのポイント
「ウチの家はまだ新しいし、近所の家でも羽アリが出たって話を聞いたことがない。だから大丈夫!」と思っている人も多いのでは?
ここまでご説明してきたとおり、シロアリはほとんど人目につくことはなく、羽アリの発生時期も毎年必ず4月から6月にかけて、というわけではありません。
さらに、シロアリは床下だけではなく、食料である木材があるところには所構わず発生します。
シロアリを見ていなくても安心なわけではないのです。
ここで、シロアリ被害に遭わないための予防策を詳しく解説しますので、ぜひ役立ててくださいね。
予防策①
シロアリ予防のカギは「定期点検」にあり!
シロアリの発生を予防するにはどうしたらよいのでしょうか?
ポイントはシロアリの「木材でできているものは何でも食べる」という特性を考えること。
ここまでご紹介してきた玄関、浴室、勝手口のほかにも、和室敷地内の木柵(ラティス)、杭などもシロアリ被害が出やすい場所といえます。
このような場所は定期的に点検するようにしましょう。
また、近年の住宅仕様だと床下地面がコンクリートになっている家が大半になりましたが、それでもシロアリの進入を許してしまう場合があります。
特に床下などは、自分で定期的な確認をするのは難しいものです。
その場合は、専門業者に頼むのもひとつの手です。
多くの業者は相談や調査は無料で行なっていますので安心して問い合わせてみましょう。
予防策②
シロアリの侵入の可能性を排除する
庭や塀に立て掛けているDIY用の木材や廃棄予定で庭に置いている木製棚(カラーボックス)、古雑誌など、木からできているものはシロアリ被害に遭ってしまうので要注意です。
シロアリが好むようなものは敷地内の地面に置かずにブロックの上に置くなど、極力地面から離しておくようにしましょう。
■羽アリ対策のまとめ
①羽アリがシロアリかどうかを確認しましょう。
②専門業者に床下を見てもらう必要があるかを判断しましょう。
③シロアリが発生しやすい環境になっていないかを確認しましょう。
④定期的な点検が必要な状態かを確認しましょう。