ホームプロに学ぶ!シロアリ対策シロアリはどこから発生して、どこから侵入するの?

シロアリはどこから発生して、
どこから侵入するの?

シロアリはどこから発生して、どこから侵入するの?

2024年9月公開

知らない間に大切な家を蝕むシロアリ。一体どこから発生してどこから侵入してくるのでしょうか?それは、シロアリの種類や状況により様々です。

特性や特徴をしっかり理解すれば早期発見にも繋がります。さらに見つけた時の対処法も解説します。

シロアリの侵入経路と発生元を理解する

住宅をシロアリの侵入から防ぐためには侵入経路を知ることが大切です。では、どのよう経路で進入するのでしょうか。

シロアリは主に地下に巣を作ります。地面に埋まった木材や湿った土壌に巣を作り、そこから分巣したり食料を運びます。また、建物の基礎部分や地中に埋まっている部分がシロアリの発生源となることがあります。土の中を移動して餌となる木材を目指し、家の床下に侵入してくるのです。

湿気が溜まりやすいジメジメした環境は特に注意が必要です。湿気のある床下や浴室、トイレ、台所など水をよく使う場所は湿気がこもりやすく、シロアリの発生源となりやすいと言われています。

シロアリの侵入経路の特性【種類別】

侵入経路について、建物に加害する主な2種「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」それぞれについて見ていきましょう。

ヤマトシロアリが好む侵入部位

ヤマトシロアリは日本のシロアリの中でも広範囲に分布し、最も多く被害が見られるシロアリです。
シロアリは皮膚が薄く空気や光などの刺激に弱く、乾燥に弱いため湿度が高い場所を好みます。ヤマトシロアリは水分を運ぶ機能を持たないので、暗所で風通しも悪く、湿潤な木材が多い床下が絶好の餌場となります。特定の巣を作らず、餌とする加害箇所がそのまま巣を兼ねているという特徴もあります。また、“蟻道”と呼ばれる土でできたトンネルを作り床下に侵入してきますが、人の目につきにくく、普段の生活の中では気づきにくいでしょう。

シロアリの侵入経路:蟻道(ぎどう)
シロアリの侵入経路:蟻道(ぎどう)

シロアリの侵入経路:蟻道(ぎどう)

地面に直接触れている木材部分や、木材と土の地面が接触している部分はシロアリの侵入経路になりやすい箇所です。ウッドデッキやクラリス、土台部分などがこれに該当します。

ヤマトシロアリの発生源の見つけ方

ヤマトシロアリがどこから発生しているか見つけるにはいくつか方法があります。
目に見える証拠や症状を注意深く観察し、湿気の多い場所や外部の木材を重点的に調査することが重要です。早期に発生源を特定し、適切な駆除対策を講じることで、被害を最小限に抑えることができます。

まずは、羽アリの発生です。ヤマトシロアリは4月~5月頃に羽アリとなって一斉に飛び立ちますのでこの時期は目で確認することができます。次に、蟻道や蟻土の発見です。家屋の外周の基礎や柱に土のようなものが付いていないか調べてみましょう。
また、家の中の柱などを叩いてみて空洞音がしたら木材が食べられている可能性があります。床下の部材は自分で確認するのは難しいので、プロに依頼して診てもらうのが良いでしょう。

イエシロアリが好む侵入部位

イエシロアリは千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域に生息します。水を運ぶことができるため、湿潤な床下部分の木材だけでなく、建物全体に被害が及ぶことがあります。さらに加害速度が速く、被害は甚大になる傾向があります。また、古い木材よりもより新しい木材を好んで食害します。

屋根裏までおよぶイエシロアリの被害

屋根裏までおよぶイエシロアリの被害

イエシロアリの特性と生息場所

イエシロアリは気温が高くなる時期に活動的になります。ヤマトシロアリと違って水を運ぶことができるので、どこにでも巣を作ることができます。
地中に巨大な球形の本巣を作り、定住しています。この巨大な巣を起点とし、エサ場を探しに活動します。また、分巣と呼ばれる小さい巣を作り、そこを経由して床下に限らず、壁内や天井裏など食害していきます。

イエシロアリの発生源の見つけ方

被害箇所から辿っていくことが巣を発見することができますが、大抵の場合本巣は地中に作られているため、屋内や床下で確認できるのはほとんどが分巣です。

家の中でシロアリを見つけたときどうすれば良い?

まずは、被害の範囲やシロアリの種類を把握することが大切です。シロアリの種類によって対処方法が異なるため、どの種類のシロアリかを確認します。ヤマトシロアリとイエシロアリにも、見た目や生息環境に特徴があります。また、シロアリの羽アリは黒っぽい色をしているので、本当にシロアリなのか、それともクロアリなのかが区別できないこともあります。

シロアリかクロアリか見分ける

まずは、羽アリ発生の時期です。
シロアリの羽アリは春から初夏にかけて、特に湿気の多い時期に飛び立ちます。
クロアリの羽アリは夏から初秋にかけて、特に暑い時期に飛び立ちます。
色としては、シロアリの羽アリは黒い体色をしているので、クロアリと間違えやすい見た目をしています。体型や触覚の形が違うので見分けるにはそこに注目しましょう。

シロアリ(羽アリ)とクロアリ(羽アリ)の違い

体型

シロアリ:腹部と胸部の境目がなく、全体的に均一な太さ
クロアリ:腹部と胸部の境目がはっきりしており、胸部がくびれている

触覚

シロアリ:まっすぐで数珠状の節がある
クロアリ:くの字型に屈曲している

翅の大きさ

シロアリ:前の羽と後ろの羽が同じ大きさ
クロアリ:後ろの羽が前の羽よりも小さい

専門家を呼ぶ

羽アリを見てもシロアリかクロアリかわからない場合は専門家に来て見てもらいましょう。セロハンテープなどで1匹捕まえておけば残りは掃除機で吸ってしまって問題ありません。捕まえた羽アリを見て専門家がシロアリかクロアリか判断します。

シロアリだと分かったら被害がどの程度の範囲に及んでいるかどうかを見極め、適切に駆除処理をしましょう。発見した場所や周辺の木材、構造物の状態を確認します。ご自身で処理を行なうこともできますが、判断や作業が難しいため、専門家に依頼することをおすすめします。

シロアリから家を守るための対策と駆除方法

もし、シロアリの侵入を確認したら、しっかりと駆除処理を施しましょう。放っておくと、加害が進み、お家の強度を低下させてしまいます。さらに、侵入することを予防する方法もいくつかあります。ここでは予防策および駆除方法について解説します。

シロアリの発生原因と事前予防策のポイント

ポイントとなるのはシロアリが好む環境を排除することです。
まずは、食害する木材を家の周辺に置かないこと、残材等を土の地面に直に置いているようなケースは注意が必要です。次に、家の周りの床下部分の換気口を塞がないようにしましょう。床下の湿った空気が抜けず、床下がシロアリの好む湿度の高い状態になってしまいます。
また、水漏れや雨漏りはシロアリが好む環境を作る要素となります。異常がある場合は、速やかに修繕しましょう。こういったチェックは専門業者にしてもらうのが良いかもしれません。定期的な点検と防除処理も有効な手段です。

発見後の適切な対策と駆除方法

シロアリを発見したら駆除処理をしなければなりません。ご自身で処理をする場合は、駆除剤を購入して必要な機材を準備する必要があります。ただ、床下での作業がメインになりますので、体力面でも安全面でもとても大変な作業で、処理をする箇所を判別することも容易ではありません。処理が不十分になってしまうこともあるでしょう。
シロアリの種類や侵入経路によっても施工方法は異なってきますので、やはり、専門業者に駆除を依頼することをオススメします。

■まとめ

シロアリがどこから侵入してくるか、なぜそこから侵入してきたのか、それを理解することは非常に重要です。これを知っておくことでシロアリの侵入を防ぐための対策も立てやすくなります。

駆除は専門家に依頼することをお勧めしますが、セルフチェックやよってシロアリの好む環境を作らないなど、ご自身で出来ることもあります。点検を定期的に実施することは早期発見に繋がり、効果的な方法です。

また、一度対策をしたからと油断してはいけません。薬剤にも効果が持続する期間があります。定期的な点検を併せて、持続期間毎に薬剤処理を行ない、大切な財産をシロアリから守りましょう。

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