ホーム > プロに学ぶ!シロアリ対策 > シロアリはコンクリート住宅でも被害にあう?侵入経路から防ぐ方法まで紹介!
シロアリはコンクリート住宅でも被害にあう?
侵入経路から防ぐ方法まで紹介!
2025年1月公開
シロアリ被害に遭う住宅というと、木材建築で建てられた古い家屋といったイメージを持つ方も多いかもしれません。
そのため、鉄筋コンクリートで建てられた住宅はシロアリが進入できず、シロアリによる被害とは無縁と考えている方もいるでしょう。
しかし、シロアリは鉄筋コンクリートの住宅であっても造りの中に木材成分を含む部材を使用していれば侵入する可能性はあります。また、木造住宅で防湿コンクリートになっている住宅も、シロアリに侵入されないと思っている方もいますが、被害に遭う可能性はあります。
本記事では、シロアリ被害はコンクリート住宅でもあり得るのか、その対策などをまとめました。
シロアリ被害に不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
コンクリート住宅でもシロアリの被害ってある?
コンクリート住宅であっても、シロアリ被害は発生します。
壁材や床材にシロアリの餌となる木材成分を使用していれば、侵入されるケースがあります。構造部分が鉄筋コンクリートだから大丈夫だろうと思っていても、被害が発生することはあるのです。
また、床下が防湿コンクリート構造になっている場合、地面が土になっている家よりは比較的被害に遭いにくいのですが、コンクリートのわずかなひび割れなどからも侵入は可能です。年数が経過するとそういった隙間は自然に増えていき、徐々にシロアリ被害が発生する可能性が高まってきます。
シロアリはコンクリートを突破する?
シロアリは、コンクリート住宅であっても侵入されるということは知られていますが、前述のようにヒビ割れなどの隙間から侵入してくるケースがほとんどです。“突破”するというよりは、できた隙間から侵入してきます。
ただ、シロアリがコンクリート自体を突破する説がまことしやかに出回っています。
その中でも多く聞かれるのが、アリが分泌している蟻酸でコンクリートを徐々に溶かしてコンクリートを破壊するといった説です。
一見、理解できそうですがシロアリは蟻酸を分泌することはないため、明らかな都市伝説です。
さらに、シロアリの歯は頑丈でコンクリートを噛み砕き、穴を開けて突破するといった説も広まっています。コンクリートの細かな粒子を壊し、穴を開けることがあると言われていますが、稀なケースです。
シロアリがコンクリートを突破することができる理由は、わずかな隙間から侵入できるからです。
それが侵入経路となって結果的に住宅内に侵入すると考えるのが通常と考えられます。
シロアリがコンクリートに侵入する経路
シロアリがコンクリートに侵入する経路について下記の内容にまとめました。
基礎の隙間やひび割れ
卵配管や配線などの貫通部
床下の通気口や換気口
それぞれ解説します。
基礎の隙間やひび割れ
シロアリは、住宅の基礎コンクリートの隙間やひび割れを侵入経路とすることがあります。
経年劣化などで発生したひび割れがわずか0.6mmといった隙間でもシロアリは侵入し住宅内に侵入してしまうことがあるのです。
ベタ基礎と呼ばれる防湿コンクリート構造であってもわずかな隙間さえあれば、シロアリは侵入することが可能です。
屋内にはシロアリの栄養源となる木材などが豊富にあるため、被害が拡大してしまう恐れがあるわけです。
配管や配線などの貫通部
基礎コンクリートがベタ基礎の場合、配管や配線の貫通部もシロアリの侵入経路になりやすいため注意が必要です。
配管・配線など基礎部分を貫通している場合があり、新築時はきちんと隙間なく埋められていても、経年劣化などでそこにわずかな隙間が生じてしまうことがあります。
シロアリは、そういったわずかな隙間を利用し、結果的に屋内へと侵入してしまうわけです。
床下の通気口や換気口
コンクリートに隙間がなかったとしても、シロアリは床下の通気口や換気口を利用して侵入するケースもあります。
基礎コンクリートの多くは通気口や換気口などが設置されていますので、注意が必要です。
コンクリート住宅のシロアリ被害例
コンクリート住宅では、どのようなシロアリ被害が起こるのでしょうか。
下記にて、被害例を2つ紹介します。
事例①鉄筋コンクリート住宅と安心していたがボロボロに・・・
築25年のコンクリート住宅にお住まいのAさんは、コンクリート住宅だからとシロアリ被害について何も対策をしていませんでした。
しかし、経年劣化によって基礎コンクリートがひび割れており、シロアリがそこから侵入し被害に遭います。
シロアリによって住宅の一部がボソボソしていたものの、何らかの自然被害と放置していたところ、気が付く頃にはトイレ、和室、洋間などがやられていたそうです。
コンクリート住宅であることで安心して対策が遅れ、シロアリ被害を拡大させてしまいました。
事例②鉄筋コンクリートマンションがシロアリ被害に
築30年の鉄筋コンクリートマンションでもシロアリ被害が発生しています。
コンクリートのひび割れだけでなく、配管の隙間からシロアリが侵入してきたことがわかりました。
これら地中に埋め込まれた材木が要因とされており、洗面所やトイレ、和室などが被害を受けました。
シロアリ被害から防ぐ方法は?
コンクリート住宅でシロアリ被害を防ぐための方法について下記の内容にまとめました。
定期的な点検とメンテナンス
防蟻処理の実施
ひび割れや隙間の補修
それぞれ解説します。
定期的な点検とメンテナンス
どんなおうちでもシロアリ被害を防ぐ上で、定期的な点検は重要です。
シロアリ被害予防・拡大を防ぐために、定期点検は1年に1回程度行ないましょう。専門業者に依頼するのがおすすめです。
コンクリートにひび割れはないか、侵入経路になりやすい場所の状況はどうか、シロアリが侵入しやすい状況かをチェックしてくれるので活用しましょう。
ご自身でできるメンテナンスも含め、まずはシロアリが侵入しにくい住環境を整えるように徹底してください。
防蟻処理の実施
シロアリ被害を予防するためには、防蟻処理の実施が重要です。
防蟻処理には、防蟻シートを敷いたり薬剤散布をする方法があります。
床下部分に防蟻シートを敷くことで、シロアリの侵入経路となる部分を遮断します。
また、シロアリが寄り付かないようにするため住宅の床下部分に薬剤散布をすることで、よりシロアリの侵入を防ぐことができるでしょう。
ひび割れや隙間の補修
コンクリート住宅ではシロアリ侵入を予防するために、ひび割れや隙間の補修も効果的です。
上記でお伝えしたようにシロアリは、コンクリートのわずかな隙間であっても侵入することができます。
それら隙間を塞いでしまうことで、物理的にシロアリの侵入を防止することが可能です。
経年劣化でできたヒビは、放置することでより広がってしまいます。
シーラントやモルタルといった補修剤で埋めることもできますし、市販の補修材を利用するのも効果的でしょう。
蟻道を見つけた際の対処法
シロアリの通り道となる蟻道(ぎどう)を見つけた時は、シロアリの侵入が疑われます。対処法を下記の内容にまとめました。
専門業者への相談
マンションなどの賃貸では管理者や大家さんに相談
専門業者への相談
シロアリを発見または蟻道を確認した場合は早急に専門業者へと相談しましょう。
相談を受けた専門業者は、それがシロアリの蟻道か確認してくれるだけでなく、侵入経路の詳しい説明、状況に応じて対策やメンテナンスについて詳しく説明をしてくれます。
被害拡大を抑えるためにも、違和感を感じたら専門業者に連絡するようにしてください。
マンションや賃貸などは管理者や大家さんに相談
鉄筋コンクリートマンションや賃貸など集合住宅にお住まいの方は、蟻道を発見したら管理者や大家さんに連絡しましょう。
契約書の内容によりますが、集合住宅の場合は管理会社や大家さんがシロアリ駆除費用などを負担してくれるケースがほとんどです。
被害が拡大しないように、まず管理者と大家さんに連絡を入れるようにしてください。
まとめ
お住まいの住宅が鉄筋コンクリート造り、防湿コンクリート基礎であっても、シロアリが侵入する可能性はあります。
基礎の隙間やひび割れ
配管や配線などの貫通部
床下の通気口や換気口
これらのようなわずかな隙間であってもシロアリは侵入し、木材が使用されている箇所を食害し被害を拡大させていくため注意が必要です。
適切な対策を施し、シロアリからおうちを守りましょう。