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これってシロアリ?
見分け方から施工まで【画像付き完全ガイド】
2024年10月公開
あなたの家の木材に見慣れない小さな穴や不自然な土のかたまりを見かけたら、それはシロアリのサインかもしれません。シロアリの被害は非常に気づきにくく、放っておくと大きな損害に繋がることがあります。
シロアリは日本全国に広く分布しており、木造住宅を中心に被害を与えています。その習性や生態を理解し、早めの対策を講じることが重要です。
ここでは、シロアリの見分け方や効果的な対処法、予防方法について画像を用いて分かりやすく解説します。
シロアリの基本情報と種類
シロアリは、種類によって生態や好む環境が異なるため、各種の特徴を知ることで、適切な対策を講じやすくなります。
シロアリの種類と特徴
日本で、建物を加害する種類として確認されているのは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリの4種類です。
例えば、ヤマトシロアリは湿った木材を好みます。 一方でイエシロアリは、自力で水を運ぶため比較的乾いた木材でも被害にあいます。 アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリは水分をあまり必要としないため、かなり乾いた木材(家具など)でも被害にあいます。 湿気が少ない地域だからといって安心することはできないのです。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
日本には24種類ものシロアリが!発生の見分け方と効果的な対処法とは?
シロアリの生活サイクル
シロアリは、季節に応じた活動パターンをもちます。 春から夏にかけて特に活発になり、繁殖期には羽アリが飛び出します。 この羽アリのシーズンは、普段は木材の中に隠れて見えにくいシロアリを発見できる貴重な機会です。
シロアリの被害とその対策
家屋や家具がシロアリによって加害されると、多大な修繕費がかかります。このような被害に遭わないために、以下では、シロアリの被害の兆候や対策方法について解説します。
シロアリ被害の兆候
シロアリは、内部から木材を侵食するため、外見からは気づかないうちに被害が進行しています。 シロアリ被害を最小限に抑えるには、兆候を見つけて迅速に対応する必要があります。
具体的な兆候としては、被害部分をたたいたときの空洞音、木材に見られる小さな穴、木材表面に付着した土などがあります。 これらの兆候を見つけた場合は、直ちに専門業者に相談しましょう。
専門業者による駆除方法
シロアリ駆除は専門業者に依頼することが最も確実で安心な方法です。 シロアリの種類を即座に識別し、建物の状況に応じた最適な駆除方法を選択できます。 専用の薬剤や機器を使用するため、市販の薬剤でDIYするよりも効果的な処理が可能です。
具体的には、まず建物とその周辺、床下部分を点検してシロアリの発生箇所や侵入経路を特定します。 この詳細な点検の結果に基づいて、効果的な駆除計画を立案します。
その後、発見されたシロアリの種類に応じて最適な薬剤と施工方法を選択し、適切な処理を施します。 この際、床上で家庭用の殺虫スプレーを撒くだけでは効果が限定的で木材の内部まで深く浸透しないため、専用の薬剤と施工方法が必要となります。
また、一度駆除が完了しても、処理が届かなかった場所や薬剤効果が弱まってきた箇所からシロアリが再び発生する可能性があります。 そのため、駆除のあとにもメンテナンスが欠かせません。
これらのメンテナンス(点検、薬剤処理)を定期的に受けることで、シロアリ被害の拡大を防ぎ、長期的な安心を得ることができます。
シロアリの画像ギャラリー
シロアリについて知識を深めるために、実際の被害状況やシロアリの姿を知っておきましょう。
ここでは、シロアリによる住宅や家具の被害例、駆除前後の様子を画像付きでご紹介します。
シロアリの個体画像
シロアリは大量に発生します。被害箇所をめくったり蟻道を崩したりすると、白くて小さな個体が大量に現れます。
春から夏にかけて、繁殖のために羽アリとなります。この羽アリを家の中で見かけたら注意が必要です。
シロアリ被害の画像
シロアリの被害は、見た目以上に深刻な事態を引き起こします。実際のシロアリ被害の画像を確認しながら、状況を解説します。
住宅の被害例
以下の画像はシロアリに侵食された住宅の床下部分の木材です。
シロアリ被害によって住宅構造が深刻に損傷されることがあります。 木材を主食としているシロアリは、住宅の構造材にも被害を及ぼしてしまうのです。 食害が進むと、建物の安全性が大きく損なわれます。
「床が不自然に沈む」「柱に穴が開いている」といった現象は、シロアリ被害の兆候である可能性が高いです。
このような症状を放置すると、食害が進行し多大な修繕コストに繋がってしまう可能性があります。 専門業者に相談し、適切なチェックや薬剤処理、予防策を講じましょう。
家具や木質物の被害例
家具もシロアリの被害を受けることがあります。 特に、長期間動かさない木製の家具(タンスなど)は注意が必要です。 また、本や畳もシロアリが好む成分を含むため、食害を受けることがあります。
高価なアンティーク家具や思い出の品が被害を受けると、金銭的な損失だけでなく、心理的なダメージも大きくなります。 このような被害を防ぐ最善の方法は早期発見です。そのためには、定期的な点検を欠かさないことが極めて重要です。
また、シロアリは木材の内部を食害するため、見た目には何の変化がなくても内部がボロボロになっているケースもあります。
これらの症状は一般の方はなかなか気付けません。 専門業者は木部をたたく“打診”と呼ばれる手法で、木部の内部に隠れた被害も確認します。
シロアリ駆除作業の様子
シロアリ被害を見つけたら、まず駆除処理をしなければなりません。 自分で行なうことも可能ですが、専門的かつ大変な作業なので、業者への依頼をおすすめします。
専門業者による駆除処理は、以下の流れで行います。
1、被害状況の確認:建物の外周、床下、床上を詳細に調査 / 打診や目視による確認 / サーモグラフィーや音響検査(一部の業者)
2、駆除準備:周囲の養生(薬剤飛散や粉塵、破片からの保護) / 作業員の安全対策(保護具やマスクの着用)
これらの準備を行った上で、いよいよ駆除作業に入ります。
3、駆除処理
駆除の方法としては、主に以下の3つがあります。
地面や木部への薬剤散布
木材や壁内への薬剤注入
ベイト剤の設置(シロアリを誘引して毒餌を食べさせる)
薬剤や施工方法は、シロアリの種類や被害の程度、建物の構造などによって適切に選ばれます。 また、薬剤については人体やペットへの影響、安全性も判断基準にします。
地面への薬剤散布
木部への薬剤注入
ベイト剤の設置
作業完了後は、作業箇所の確認や注意事項の説明などを受けます。
薬剤を使用していますので、しっかりと注意事項を聞いてそれに従いましょう。
不明な点はどんなことでも質問してください。
駆除後のメンテナンスも重要です。また、多くの業者では保証制度が設けられています。 特に以下の点は業者を選ぶ上でも重要ですので、契約前にこれらの内容をしっかり確認し、不明な点は質問しましょう。
定期点検の回数、費用
保証内容、期間
保証内でのメンテナンスの内容
このように、シロアリの駆除作業には多くのステップと注意が必要です。プロの駆除業者の手順を理解し、信頼できる業者を選んでください。
■まとめ
シロアリ対策では、早期発見と迅速な対応が重要です。
本記事を参考に、「基本情報、被害の兆候、駆除方法」を理解し、兆候を見つけたら、すぐに専門家に相談しましょう。