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これってシロアリの巣?
基本知識から駆除方法まで徹底解説
2024年11月公開
大切なお家に被害をおよぼすシロアリ、侵入していないか、被害がないか、きちんと気を配れていますか?家の中で砂状の塊や木材がガサガサ崩れている跡を見つけたら要注意です。シロアリは放っておくと建物に深刻な被害を与える可能性があります。
この記事では、シロアリの巣についての基本知識、見つけ方、駆除方法を専門家の視点から説明します。
シロアリの巣と構造
シロアリの巣はどこにどのように作られているのでしょうか。
多くの方は、シロアリの住み家となる「巣」がどのようなものか、ご存知ではないかと思います。シロアリの巣は、種類によりその形態や特徴が異なります。
まずは、シロアリの巣の基本知識について理解していきましょう。
シロアリの巣の種類と特徴
日本に生息するシロアリの巣は主に2種類に分けられます。
地中などに巣を作るタイプと木材の内部を居住空間とするタイプです。それぞれの特徴を見ていきましょう。
地中に作られる巣
このタイプの巣は、地中などに複雑なコロニーを作って生活します。土の中は地上からは見えづらかったり、地表に一部露出していても一見土の塊のように見えるため発見や特定が難しいという特徴があります。
日本では、イエシロアリがこのタイプの巣を作る代表的な種として知られています。
木材の内部が巣になっている
木材内部を居住空間とするタイプのシロアリも存在します。この種のシロアリは、湿った木材の内部に巣を作り、内側から食害していきます。個体が木の中にいるため外側からは被害が分かりにくいです。
日本では、ヤマトシロアリがこのタイプに該当します。一つの巣の中には1~2万匹ものシロアリが生息しています。
巣をつくらないタイプのシロアリもいる
一方で、巣を作らないタイプのシロアリも存在します。
日本の加害種では、アメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリがこれにあたります。特定の場所に巣を作らず、木部への被害を進行させていきます。そのため、被害が広範囲に及ぶこともあります。
シロアリの巣の兆候
シロアリの巣の早期発見は重要ですが、素人には見つけにくいものです。
そこで、以下ではわかりやすく兆候や巣の見つけ方について解説します。もし少しでも兆候が見られるようであれば、専門家への調査や駆除の依頼をおすすめします。
家の中で見られる兆候
シロアリの巣がある家では、いくつかの特徴的な兆候が見られます。
まず、床や柱に小さな穴や崩れが現れることがあります。これはシロアリが木材内部を食べて空洞になってしまうためです。
次に、木材部分に不自然な土の付着が見られることがあります。これは蟻道(ぎどう)と呼ばれるシロアリの通り道で、時に表面にも現れることがあります。
また、床や畳が異常に軋んだり沈んだりする場合も、シロアリの食害が原因で木材の強度が落ちたことが原因かもしれません。
さらに、春から初夏にかけて家の中で羽アリを大量に見かけることもシロアリの存在を示す重要なサインです。これは新しい巣を作るために飛び立つシロアリの羽アリで、近くに巣がある可能性が高いことを示しています。
これらの兆候に気づいたら、シロアリの巣がある可能性を疑い、専門家に相談することをお勧めします。早期発見と適切な対処が、家屋へのダメージを最小限に抑える鍵となります。
ただし、兆候に気づけない場合もあるので、見逃さないためにも、定期的にチェックする習慣をつけましょう。専門業者による定期点検を受けていれば、さらに安心です。
家の外で見られる兆候
シロアリの巣は家の外側にも兆候を残します。
特に注意すべきは家の外周にある基礎の立ち上がり部分です。シロアリは地面から家の木部に侵入する際、土でできたトンネルを作ります。このトンネルは「蟻道(ぎどう)」と呼ばれ、しばしば基礎に沿って見つかります。この基礎の近くに巣の入口が見つかるケースもあります。
家の周りを歩いて、この蟻道がないか確認してみましょう。
シロアリ被害を防ぐには、地面と木材が接している場所に注意してください。木製の柵、杭、クラリス、ウッドデッキなどはシロアリに狙われやすい箇所です。
これらはシロアリを引き寄せやすく、家への侵入リスクを高めてしまうことになります。
家の外も同様にシロアリの兆候を見逃さないために、定期的なチェックを推奨します。
アメリカカンザイシロアリの兆候
前述のとおり、巣を作らないタイプのシロアリにアメリカカンザイシロアリという種がいます。この種のシロアリの特定のカギとなるのは「ふん」です。
加害している木部の内側から小さい穴を開けて、そこからふんを外に落とします。これは他のシロアリには見られない特徴的な生態です。
もし、このような兆候があればアメリカカンザイシロアリの被害が進行している可能性があります。すぐに専門業者に相談しましょう。
シロアリの巣の駆除
シロアリの巣や被害を見つけたら、すぐに駆除することを推奨します。そのまま放っておくと被害が拡大してしまうおそれがあります。
シロアリの巣を駆除する方法としては、以下の2つがあります。
専門業者に依頼する
自分で行う
以下で、それぞれの方法について詳しく解説します。
専門業者による駆除
シロアリを確実に駆除したい場合は、専門業者に頼むのが一番良い方法です。専門業者はシロアリ駆除の専門家なので、高い確率で駆除することができます。
専門業者に依頼すると、次のようなポイントで作業を行ないます。
1、シロアリの巣や被害箇所を見つける
2、状況に合わせて最適な駆除方法を選択
3、駆除作業
4、再びシロアリが来ないように予防処理
自分でシロアリ駆除を行う場合は、しっかりと駆除ができない、適切な予防処理ができない、などのリスクは高まります。一方で専門業者は発見から予防まで、専門スキルを駆使して責任を持って行うので、今後も安心して住み続けることができるでしょう。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
シロアリ駆除!自分ではできないスゴ技!プロの実例と作業内容を解説!
DIYで駆除
シロアリ駆除を自分でやりたい人のために、DIYの方法を説明します。専門業者に頼むのが確実ですが、費用を抑えたい場合はDIYも選択肢の一つです。
以下に、DIYでシロアリ駆除をする方法をまとめましたので、参考にしてください。
手順 | 留意点 |
---|---|
1. 巣や被害箇所を見つける |
家の外周や屋内の足元部分の木部(柱の根元や敷居など)をチェック 床下に入って確認(床下点検時は厚手の服と防塵マスクを着用) |
2. シロアリ駆除剤を購入 |
スプレー、液剤、ベイト剤などを状況に合わせて選択 使用前に注意事項をよく読む 適切な防具や機材を準備 |
3. 駆除作業 |
防具を着用し、注意事項に従いながら作業を進める |
とくに床下の確認や薬剤処理は重要です。湿度が高いなど、シロアリの好む条件が揃っている場所だからです。
しかし、床下での作業については、一定の体力が必要です。自分では難しいと感じたら、無理をせずに専門業者へ依頼するようにしましょう。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。
シロアリ駆除を自分でやりたい!その方法を徹底解説
シロアリの巣への対処まとめ
この記事では、シロアリの巣についての基本的な知識、見つけ方、そして駆除の方法を説明しました。見つけたら、すぐに対処することが大切です。
自分でチェックや対処をするのが難しいと感じたり、被害が大きくて対処できないと思ったら、専門業者に相談しましょう。効果的な対策を施してくれます。
一方で、家を長く安心して使うためには予防的な観点も重要です。定期的に家をチェックしながら、兆候を早期に発見すること、併せて薬剤効果を持続させるなど、シロアリを防ぐ対策をとり続けることが大切です。
これらをしっかり実行すれば、大切な家をシロアリから守り、安心して暮らし続けることができるでしょう。