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シロアリ駆除を自分でやりたい!
その方法を徹底解説
2024年9月公開
プロに任せた方が確実、とわかっていても、自分の家のことだし費用もかかる…
だからシロアリの駆除を自分でやりたい!
そんな方もいますよね。
実際のところ、専門業者ではない方がシロアリ駆除を自分で行なうのは、あまりオススメはできません。
それでもどうしても自分でやってみたい!
そんな方向けに、シロアリ駆除のDIYに挑戦したい場合の作業内容や注意事項をご紹介します。
まずはシロアリの侵入を確認
我が家にシロアリが侵入しているかどうかを、まずは確認しましょう。
シロアリの被害を受けやすいのは床下なので、床下に入って点検しなければなりません。
点検方法についてはこちらをご覧ください。
また、以下に該当した場合、シロアリが侵入している可能性が高いと言えます。
☑4月から6月にかけて、家の中や周囲に大量の羽アリが発生した
☑基礎に写真のような不自然な土の道がある
シロアリ駆除に必要なもの~駆除剤を選ぶ~
シロアリに侵入されている!ならばDIYで駆除するぞ!
必要なもの「駆除剤」を準備しましょう。
使う駆除剤によって準備する道具が変わるので、まずは駆除剤を決めます。
駆除剤は4種類に大別されます。
エアゾール
スプレー缶で、薬剤を霧状に散布する駆除剤です。
施工方法 | シロアリや木材に吹きかける。 |
メリット | 軽いので持ち運びやすい。 |
デメリット | 木材の内部まで殺虫成分を行きわたらせるのが難しい。 |
粒剤
粒や粉のかたちをした駆除剤です。
施工方法 | 地面に撒く。 |
メリット | 撒くだけなので簡単。 |
デメリット | 木材の内部まで殺虫成分を行きわたらせるのが難しい。 |
液剤・乳剤
水で希釈して使用する駆除剤です。希釈済みで販売されているものもあります。
施工方法 | 木材の内部へ注入する、木材の表面へ吹きかける、地面に撒く。 |
メリット | 木材に薬剤成分が比較的浸透しやすい。 |
デメリット | 希釈や注入・散布に別途機材が必要。 |
ベイト剤
殺虫成分を含んだ餌を巣に持ち帰らせる駆除剤です。
施工方法 | シロアリが生息していそうな場所にベイト剤が入ったケースを設置。 |
メリット | 設置作業自体は簡単。 |
デメリット | 適切な設置場所の判別が難しい。 |
ここで注目したいのが、エアゾールと粒剤のデメリットです。
木材の内部まで殺虫成分を行きわたらせるのが難しいため、すでに木材の内部に侵入したシロアリには届きにくく、内部の食害の進行も防ぎにくいと言えます。
そもそも、エアゾールや粒剤は「予防」を目的とした製品が多く、「駆除」には向いていません。
すでに侵入しているシロアリを駆除するなら、液剤・乳剤またはベイト剤を選ぶとよいでしょう。
また、「予防用」「羽アリ向け」「ガーデニング用品向け」といった記載がある製品は、すでに家に侵入しているシロアリを駆除するには不向きです。間違って購入しないようにしましょう。
シロアリ駆除に必要なもの~その他の道具~
さて、駆除剤を手に入れたら、シロアリを防ぐために適切な箇所に処理を施さなければなりません。そのためにはどのような装備や道具が必要なのでしょうか?
処理を行なう場所は床下がメイン
ベイト剤以外の駆除剤では、床下からの処理がメインとなります。通常の戸建住宅の床下は高さが数十センチしかないため、ほふく前進での移動が基本です。
汚れやすく、動くと地面と擦れて怪我をしやすいので、厚手の服、長めの靴下、脱げにくい靴、軍手、帽子を着用しましょう。
暗い床下をスムーズに移動するためにヘッドライト等の明かりも必須道具です。
また、台所の収納庫など、室内の床下点検口から入るため、土や砂が舞って室内を汚さないように大きめのブルーシートなどで、点検口の付近を養生しておくとよいでしょう。
駆除剤を扱うときは細心の注意を!
各種駆除剤を扱うときは、目を保護するためのゴーグルや、防毒マスクの装着が必要となります。また、床下は埃やカビの胞子が舞っているため、防塵機能も持ち合わせているマスクを推奨します。
さらに、液剤・乳剤を木材の内部に注入するために、木工用ドリル、噴霧器、ノズルも準備します。
このように、適切に処理を行なうためには様々な道具が必要です。
駆除剤だけ購入すればOK!というわけにはいかないのです。
シロアリ駆除をおこなう際の注意点
まず、基本は使用するツールに記載のある注意事項をしっかり読むことです。そのうえで、以下のような注意点を守って安全に作業を行ないましょう。
説明や注意書きは必ず従う
これは基本中の基本です。駆除剤や機材に書かれた説明や注意書きは熟読し、必ず従うようにしましょう。
小さなお子様やペットに注意
ゴキブリ用の殺虫剤などと同じで、小さなお子様、ペットがいるご家庭では注意が必要です。駆除剤を使うのは床下ですが、処理をしてからしばらくは1階部分で臭いが残ることもあります。1階部分での生活は避けるなどで対応しましょう。
また、殺虫成分が、床下点検口から室内に入ったり、庭の池や井戸水に流れこんだりする可能性もあります。駆除剤そのものを誤飲する危険性もありますので、処理だけでなく保管にも注意が必要です。
配管や配線に注意
床下には水道管やガス管、配線などが通っています。
それらに接触して、水漏れや断線したりする危険性があります。
狭い空間を無理に通らない
狭い隙間を無理に通り抜けようとすると体がひっかかり、身動きが取れなくなることもあります。
最悪の場合、床板を剝がして救助することになるのでけっして無理はしないでください。
ケガや体調不良に注意
身動きが取りにくい床下で、慣れない姿勢で道具を使うため、ケガをする危険性が高くなります。また、万が一床下で動けなくなると、救助が非常に困難になるので体調不良のときはけっして床下に入らないでください。
薬剤は規定の量を使用する
アサンテの公式YouTubeチャンネルから、駆除作業の動画を見てみてください。
https://www.youtube.com/shorts/hCsKo7Vdcp0狙った箇所の木材や地面に薬剤が浸透するようにしっかりと散布しているのが分かります。
駆除剤の量が少ないと駆除や予防の効果が十分に得られませんし、多すぎても健康被害や環境への負荷に繋がってしまいます。適切な量を使用しましょう
1回作業したら終わりではない
シロアリ駆除は、一度作業したら終わりではありません。
液剤・乳剤は数年で効果が切れるので、だいたい5年に1度くらいのタイミングで駆除剤を散布する必要があります。
また、ベイト剤も、定期的な点検と毒餌の交換が必要になります。
ベイト剤が一番楽?
液剤・乳剤を使った駆除は大変そうだからベイト剤を使おう!と思うかもしれません。
たしかにベイト剤は、比較的簡単な作業で設置できますが、シロアリがいるかどうか分からないところに設置する場合があります。シロアリが毒餌に食いつかず、効果がでないこともあるのです。
専門業者でも、「ここに設置したら絶対に毒餌を食べる」と断定することはできません。
また、ベイト剤を使用しての駆除は、液剤・乳剤よりも時間を要します。
数か月間~1年ほどかかるケースが大半です。
どの駆除剤を使うのが確実な駆除に繋がるのか、ご自宅の状況に合わせて慎重に判断しなくてはいけません。
シロアリ駆除は専門業者に依頼するべき?
ずばり!もうシロアリが家の中に侵入しているならプロに頼みましょう!
ここまで読んでいただけたならお分かりかと思います。
シロアリの駆除を自分でするのはとても大変です!
シロアリにこれ以上家を食べられないための処理は、体力的に大変ですし、作業自体もとても難しいのです。
シロアリ駆除って業者に頼むと高い…と思うかもしれませんが、それは床下という特殊な環境で、安全かつ確実に駆除作業をするための適切なコストなのです。
シロアリ駆除のプロがどのような処理をしているか知りたい方はこちら。
シロアリ駆除!自分ではできないスゴ技!プロの実例と作業内容を解説!
https://www.asante.co.jp/stories/termite/03.html■まとめ
家具などのDIYが流行している昨今、シロアリ駆除も自分でできそう!と考えてチャレンジすることは素晴らしいことです。
ただ、シロアリを適切に駆除するためには高難度の処理が欠かせません。
大切な財産を守りたいからこそ!プロの力を頼ることも、時には必要なのではないでしょうか。