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第 3 話
春 シロアリの注意ポイントはココだ!②
羽アリが群飛(ぐんぴ)をして初めて、シロアリの存在に気付くという方も多いようです。
「気付かないうちに群飛していた」「家の中に入っていた!」ということがないように、羽アリが飛びやすい日は注意しておきたいですね。
今回は、そんな【春】のシロアリ(羽アリ)についてご紹介します。
シロアリの種類
日本で防除対象となっているシロアリは、主にヤマトシロアリとイエシロアリです。
(最近ではアメリカカンザイシロアリの被害報告も増えてきています。)
では、ヤマトシロアリとイエシロアリのそれぞれの違いを見てみましょう。
羽アリの体色や群飛時期、兵蟻の頭の形のなど、さまざまな違いが見られます。
※兵蟻(へいあり、へいぎ)…外敵との戦いを主な役目とする、いわゆる「兵隊アリ」のこと。
今回も、ほぼ全国に生息しており、ポピュラーな存在といえるヤマトシロアリにフォーカスを当てて紹介していきたいと思います。
こんな日は要注意!
ヤマトシロアリの群飛(ぐんぴ)は4月下旬から5月頃(東北から北海道では6月)に起こりやすいとされています。
とくに、当社がお客様から羽アリのお問い合わせを多く受けるのは、雨上がりで気温が上がった日が多くなっています。
では、ヤマトシロアリの群飛時の気候や気温、群飛時刻をデータから見てみましょう!
グラフ1 群飛発生当日の気候(鈴木英明ら を改変)
グラフ2 群飛日の平均気温と群飛件数(鈴木英明ら を改変)
グラフ3 群飛前日から当日への気温の変化(鈴木英明ら を改変)
グラフ4 ヤマトシロアリの群飛時刻(山野勝次 を改変)
上記の各データから
【雨の降っていない日】
【平均気温が16℃から19℃】
【前日と比べて気温が上昇】
【午前中(10時から12時)】は、高い確率で羽アリが飛ぶようです。
このような日は、気を付けましょう。
また、シロアリは湿った場所を好みます。
グラフ5は、ヤマトシロアリの群飛がどのような箇所から行なわれていたかを調べたデータです。
このグラフから、とくに浴室、他にもトイレや台所といった水周りに多いことが分かります。
グラフ5 ヤマトシロアリの群飛箇所(山野勝次 を改変)
春のシロアリチェックポイント② まとめ
春は最も危険な季節!
春は、床下や土の中に隠れていたシロアリが、目視で確認できる時期になります。
この時、初めてシロアリの存在に気付く方も少なくありません。
羽アリを家で見かけたら、既に床下や近くに住みついている可能性があります。
春は最も注意すべき季節なのです。
「昨年、床下の調査をしてシロアリがいなかったから大丈夫!」と安心している方もいらっしゃると思います。
しかし、今年調査してみたら「やっぱりシロアリがいた!」なんてことは、じつはよくあることなのです。
床下の状況は日々変わっています。定期的な床下の調査をオススメしています。
参考文献
- 山野勝次:しろありNo.55、17‐25、1998.1
- 森本博(1959.1.1)白蟻読本‐生態・被害・対策‐昭晃堂
- 鈴木英明:家屋害虫 Vol22 No.1、29-35、2000.6
- 公益社団法人 日本しろあり対策協会『しろあり及び腐朽防除施工の基礎知識新版』