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ネズミの種類とその生態
ネズミ対策には種類別の生態理解も必要です。なぜなら、ネズミの種類によって生活習性が異なるからです。
ネズミの種類の違いを知ることで、効果的な対策を講じることができます。本記事でネズミの種類を解説しますので、参考にしてください。
家やビルに侵入するネズミの種類
日本に生息するネズミで、家屋やビルに侵入するネズミは主に3種類です。
ドブネズミ
クマネズミ
ハツカネズミ
この3種類は人の生活圏に適応しており、まとめて「イエネズミ」と呼ばれています。
したがって、家屋でのネズミ対策を考える際は、この3種の「イエネズミ」の特性を理解することが重要です。
ドブネズミ
ドブネズミは、都市部でよく見られるネズミの一種です。体長22~26cmの大型で、どっしりとした体型が特徴です。
泳ぎが得意で、下水道や排水溝など水辺の環境に適応しています。雑食性ですが、特に肉や魚などの動物性タンパク質を好みます。そのため、生ゴミをあさる習性があり、ゴミ捨て場周辺でよく目撃されます。
クマネズミ
クマネズミは、運動能力が高く、建物の高所に生息する傾向があります。体長18~24cmと、ドブネズミよりやや小柄です。
特に高い場所に登る能力に優れ、この特性を活かして天井裏やビルの上層階にすみつきます。食性は雑食ですが、穀物や昆虫を特に好みます。
この食性により、人間の居住空間で多様な食料を見つけることができます。例えば、パントリーや食品庫に侵入して穀物を食べたり、建物内の昆虫を捕食したりします。
ハツカネズミ
ハツカネズミは、小さな体格で、他のイエネズミとは異なる生態を持っています。体長6~10cmと極めて小さいため、狭い隙間にも容易に侵入できます。
雑食性ですが、特に穀物を好みます。この食性により、農村地帯により多く見られます。例えば、穀物倉庫や納屋などで頻繁に目撃されます。都市部では比較的少ないですが、パントリーなどの食品保管場所に侵入することもあります。
被害をもたらす野ネズミの種類
上記で紹介した以外にも、被害をもたらす野ネズミがいます。例えば、以下の4種類です。
アカネズミ
ヒメネズミ
ハタネズミ
エゾヤチネズミ
これらのネズミは、基本的には山奥や森で暮らしており、人の生活には無害です。しかし、時折、農作物や樹木に被害を出すことがあります。
ネズミの種類で対策が変わる
効果的なネズミ駆除を行うためには、侵入したネズミの種類を特定することが大切です。種類によって対策が異なるからです。
具体的にどのように対策が異なるのか、以下で解説します。
誘引餌が変わる
ネズミ駆除では、毒餌やトラップを使用するのが一般的です。いずれもネズミが好む食べ物を誘引餌にして、おびき寄せて駆除します(※)。
例えば、ドブネズミは肉や魚を好み、ハツカネズミは穀物を好みます。種類に合わない誘引餌を使用すると、ネズミを効果的に誘き寄せられません。
また、ゴミ捨て場や台所に豊富な食べ物がある場合、ネズミは誘引餌に見向きもしないかもしれません。ネズミの種類に合わせて適切な誘引餌を選択しましょう。
※誘引餌を使わずにそのまま設置する製品もあります。説明書をよく読み、その通りに使用してください。
侵入口をふさぐ方法が変わる
ネズミの種類によって、侵入を防ぐための方法が異なります。これは、ネズミの体格や能力に大きな違いがあるためです。
特に、ハツカネズミは他の2種と比べて極めて小さく、わずか1cmの隙間からも侵入できます。例えば、ドブネズミやクマネズミ対策として目の粗い金網を使用しても、ハツカネズミには効果がありません。ハツカネズミはその小ささを活かして、他の2種が通れない隙間も簡単に通り抜けてしまいます。
ネズミの種類を正確に特定し、その体格や能力に合わせた適切な侵入防止策を講じるようにしましょう。
トラップを仕掛ける場所が変わる
ネズミの種類によって、トラップを仕掛ける最適な場所が異なります。ネズミの種類によって運動能力や行動パターンが大きく異なるためです。
例えば、クマネズミとハツカネズミは壁の中を通って上下移動できますが、ドブネズミは上下移動が苦手です。
具体的には、クマネズミやハツカネズミ対策では、天井裏、居室内、床下など建物全体にトラップを仕掛けると効果的です。一方、ドブネズミ対策では、低層階や地下に重点を置いてトラップを設置すると効果的です。上階や天井裏へのトラップ設置は、ドブネズミにはあまり効果がありません。
効果的なトラップ設置には、侵入しているネズミの種類を正確に把握し、その行動特性に合わせた戦略的な配置が重要です。
ネズミの種類の見分け方
侵入してきたネズミの種類の見分け方について解説します。分かりやすい特徴として、以下の2つがあります。
外見
糞
それぞれの具体的な見分け方について解説します。
外見から分かるネズミの種類
ネズミの種類は、外見から判別できます。体の大きさが最も分かりやすい特徴です。
ハツカネズミは他の2種と比べて極めて小さく、大きな耳が特徴的です。一方、ドブネズミとクマネズミは体長が似ているため、他の特徴で区別する必要があります。
具体的には、ドブネズミはがっしりとした体つきが特徴です。対してクマネズミは、体に対して尾が長いのが目立ちます。
フンから分かるネズミの種類
ネズミの糞の特徴は、種類によって異なります。これは、各ネズミの習性や体格の違いによるものです。
クマネズミは移動しながら排泄するため、家中に糞が散らばります。ドブネズミは主に水回りや床下に糞をし、最大2cmの大きさになります。ハツカネズミの糞は約5mmと小さく、警戒心が薄いため人目につく場所にも排泄します。
例えば、家中に小さな糞が散らばっている場合はクマネズミ、水回りに大きな糞がある場合はドブネズミ、人目につく場所に極小の糞がある場合はハツカネズミの可能性が高いです。
■まとめ
イエネズミと言っても種類によって特徴があり、それに合わせて対策も少しずつ変える必要性があることがお分かりいただけたでしょうか。
また、ネズミと思っていたら他の小動物だったなんてこともあります。アライグマなど攻撃的な小動物が潜んでいる可能性もあるので、自分で天井裏や床下を調査するのは危険です。専門の駆除業者に相談することも検討してください。